「“投影”を使いこなして人生を円満円滑に」
『投影』ということばをご存知でしょうか。
心理学に親しい方にとっては“お馴染み”とも言えることばですし、「鏡の法則」的な本や文章を読んだ方にとっては、そこで学ばれているかもしれません。
『投影』とは:
ある対象を見て感じていることは、あなた自身の内側にも「ある」として、観ます。
自分に『ある』から、「相手に投影してそれが見える」んですね。
たとえば、ある人の言動を見てイライラして、“なんでそうするかなぁ”と不満に思ったとします。それをヒントに、自分のことを振り返ります。「わたし、何にイライラしているんだろう?」と。
この、現象のはじまりを自分に引き戻す行為を『投影を取り戻す』と言います。
イライラを感じさせたのは相手かもしれませんが、イライラしているのは、「自分自身」なんですよね。
相手の言動をどうこう(コントロール)することはできませんが、自分のことであれば、変化をかけることができます。それを、活かします。
自分にイライラしている自覚がなかったとしても、誰かや何かを見てイライラしたということは、そこに『何かしらの原因』があるからなんですね。それは一体、何なのか。それを観ていきます。
実は、この概念は、ことばで説明するのがいつも難しいと感じています。
(難しいがゆえ、数年前に、この「投影」をマスターするためだけの長期講座をやったくらいです笑。複数名のグループでたくさんの事例を扱う講座をやれば、どうやればいいのかを体感覚的に落とし込めて、その後の日常に一番活かせる形でお伝えできると考えてのことでした。概念的な説明は何度かしていたのですが、“もっと分かるようになりたい、自分で人生の中で扱えるようになりたい”と、リクエストいただいたことが大きかったです。その後、ガラッと人生が変わってしまった人たちが続出したので、やはり「投影」ってすごいなぁ〜と、あらためて認識した出来事でした)
この「投影」を理解し、さらにそれぞれの日常の中で『投影を取り戻す』ことができるようになると、人生がとても穏やかになりますし、人に変に依存することなく、無力感を感じることもなく、精神的に自立した状態でイキイキ生きていけるようになります。
ちなみに、イライラしたときは、ソレそのものを「しっかり感じてあげること」が大切です。
投影ということを知ると、すぐに分析に入ってしまって、イライラなどの感情を「無かったことにしてしまう」「切ってしまう」「自然と飲み込んでしまう」ということが起こることがあります。すると、扱われなかった(感じられなかった)感情は、実はずっと身の内に残ってしまうので、身体でいうところの便秘といっしょで、いいことがありません。
コツは、相手に対して感じたことを『自分ごととして取り戻して』、そして、その『原因』は何か、ということを丁寧に内観していく、というプロセスにあります。
いつも同じことが起こるー。
頭で望んでいるわけじゃないのに、望まない展開や現実が、たびたび、繰り返される。
これは、『メッセージ』なんですね。
あなたに、“何か氣づいてほしくて”、場を変え品を変え、対象やシチュエーションなどを変えて、それは繰り返されています。
それに氣づくための、ひとつの強力なツールが、『投影を取り戻す』という行為になります。
たとえば、わたし自身の話をひとつ、シェアしたいと思います。
わたしが一番最初に、はじめて「投影」ってこういうことか!と氣づき、『投影を取り戻す』体験をした事例になります。
わたしと夫は、20代のときから、とある民間の心理学スクールに通い、カウンセラーを目指していました。そこでは、100人を超えるような場で、ひとりの事例を扱って、それを場のみんなでシェアして、それぞれが癒しを体験していく、というワークショップがひらかれていました。
そこで、とある女性が事例として選ばれ、その女性の問題を扱っていくことになりました。わたしも夫も、受講生の一人として、それを見守っていました。
そこでは、“心理劇”を使った手法で、癒しのワークを展開します。その女性は、自分のパートナーとの問題や悩みをシェアし、それを扱っていくことになりました。もっと旦那様との距離を縮めたいような内容だったと思います。
そこで癒しを起こす場合、自分以外の登場人物に関しては、会場にいる100人以上の人間の中から、“パートナーに似ている人”を選んで、その人がその女性のパートナー役となり、心理劇が行われていきます。
その、パートナーさん役に、夫が選ばれたんですね。その女性とわたしたち夫婦(当時は付き合ってるとき)とは、とても仲良しだったので、夫が選ばれて嬉しかったですし、これで彼女の悩みがクリアになり、癒されるんだと思うと、とても嬉しかったのを覚えています。
実際の心理劇では、その女性と旦那様の「親密感を取り戻す」というような目的で、内容が構成されていたように、覚えています。なので、心理劇の途中で、その女性と夫がめちゃ近い距離感でコミュニケーションしていくのですが・・
そこでわたしは「モヤっ」としたのです。笑
左脳的には、えーーーって感じでした。夫が役で活躍して、その女性が楽になって、笑顔になって、実際の旦那様との関係性も良くなるかもしれない。どう考えても、すごく嬉しいこと。
なのに、「モヤっ」です。
ちなみに、ここで左脳を使ったまま「モヤモヤを無かったことにする」と、それはたとえば、“頭で考えたら、みんなにとって良いことが起こってるじゃない、このモヤモヤ要らなくない?”という感じで、「氣のせい」だったことにしてしまう、とかが起こります。
すると、せっかく投影を通して感じた「モヤっ」という“メッセージ”を、取り逃すことになります。そして、そこでスッキリするはずの機会も失いますから、後からもっとモヤモヤすることが起こったりします。そうして、“氣づかせよう”とするのが、わたしたちの意識できない“潜在意識”のはたらきだったりします。
わたしは自己分析の鬼(笑)ですので、当然、当時の自分に何が起こっていたのか、後日、質問できる機会に、社長でもあるトレーナーに質問しました。つまり、その日まで、自分で分析することができなかったのです。ずっと、モヤッとしたままでした。
社長、トレーナーからの回答で分かったことは、『嫉妬』が起こっているということでした。えーーーーまさか!な感じです。その女性と夫が繰り出していた“物理的にも近い距離感”、それをやりたいってことだよ、と。「できると分かっているのに実行していないことに対して『嫉妬』って湧くんだよ」、そんなことを教えていただきました。
と、同時に、めっちゃ恥ずかしくなりました。これが、『投影を取り戻せた』瞬間です。自覚が湧いた瞬間ですね。
よっぽど、わたしは自分が“それを望んでいる(物理的に近いコミュニケーション)”ということに氣づきたくなかったのでしょう。でも、潜在意識は知っています。だから、「モヤっ」というサインとくれたのだと、今は理解しています。
そして、そのサインの読み解きを、わたし一人では不可能でしたが(氣づきたくないから)、トレーナーに質問する、ということを通して、この時点で読み解けた、そして『投影を取り戻せた』ので、一氣に恥ずかしくなる=感情が吹き出る、が起こりましたし、頭とは異なるところでめちゃ納得していました。
以上を一言でまとめると・・
「その女性の場所に立っているのはわたしのはずなのに」という謎の嫉妬です。笑
謎、と書いたのは、左脳で考えたら、夫は役割で出ていますし、その女性と夫との間に何かあるわけないのが分かっているからです。でも、感性・感覚・右脳、つまり“感情”は、そうはいきません。
当時20代半ばだったわたしにとっては、妙齢の女性が出す色氣にも嫉妬がはたらいていました。
そこがヒーリングや学びの場だったので、わたしの場合はとても安全に、自分の『投影を取り戻させてもらった』体験となりました。
でも、通常であれば、日常の中でこうしたことを皆さん、それぞれの場面やタイミングで感じているはずです。
そのモヤモヤとかイライラとかをぜひ「氣づき」に変えて、『投影を取り戻して』スッキリ!、自分の中のエネルギーを調えてみてくださいね。
投影を取り戻すことを通じて、自分の内側に潜んでいた『本当の望み』に氣づいたとき、あなたのエネルギーはスッと通りが良くなり、現実が好転したり、人間関係も出来事も、円満円滑になっていくのを体感いただけると思います。
もしよかったら、アンケートに回答ください。
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